エクセレントカンパニー

2017.12.19 | SOSUKE HIRAYAMA
エクセレントカンパニー

こんにちは、メドレーの平山です。

また筆が進まず4ヶ月ぶりの更新になってしまいましたが、4回目は「エクセレントカンパニー」というテーマで書いていきます。


エンジニアとは何か

会社の未来をデザインする「コーポレートIT」担当・リーダー候補を募集 より

このポジションは、システム構築やセキュリティ対策、制度設計などにおいて一般的な企業にありがちな常識を疑い、本質的に価値のあることを見出す習慣や、徹底的に経済合理性を追求する習慣が身につき、会社全体の業務を俯瞰する経験をすることができます。現在、私も様々な業務に携わっており、会社の将来を想像しながら全体のITアーキテクチャや必要な運営組織を自ら発案し、デザインしています。 そんな中で、未来の「エクセレントカンパニー」を創る一翼を担えることに他では得難いやりがいを感じ、事業の成長をメンバーと共に喜ぶことができます。

先日公開されたコーポレートITの新メンバー募集ページに、このような記載がありました。コーポレートITには、インターネット時代の新たなCIO像をつくるというポジティブな挑戦に向き合っているメンバーがいます。このメンバーと隔週で1on1をやっているのですが、その中で、ここにあるエクセレントカンパニーとは何なのか、2020年にメドレーがエクセレントカンパニーになっている姿を想像できているのか、今取り組んでいる業務によって割れ窓※1はつぶせているが、その延長線上にエクセレントカンパニーがあるのか、という議論をしました。

※1: 割れ窓理論 - Wikipedia:「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方

多くの企業は「エクセレントカンパニー」になるために日々努力をしていると思いますが、当然ながら事業形態や経営哲学によってエクセレントへのアプローチは異なります。そしてその違いが企業文化を作り上げるものだと思います。

それでは、メドレーのプロダクト開発チームがエクセレントであるために、何を思考し何を実現していけばよいのか。自分自身の考えが言語化できていなかったので、日々考えていることを整理してみます。

エクセレントなプロダクト開発チーム

  • 「ROIの最大化」
  • 「圧倒的な効率化、仕組み化の徹底」
  • 「規律的であり、創造的である」
  • 「チームであるが、家族ではない」
  • 「パブリックマインド」

あらためて考えてみると、これらが(エクセレントでありたい)メドレーのプロダクト開発チームを運営していく中で大事にしている考え方だと思います。リーダー陣とは頻繁にこのような話をしており、大枠の考え方はチームメンバーにも浸透していると思います。

「ROIの最大化」

プロダクト開発にかかわるメンバーの人件費は、コストではなく将来の価値を生み出すための投資だと考えています。現在そして将来にわたって自身の人件費の数倍の価値を生み出すために、日々の業務を通じて価値を積み上げていく。だからこそ、もっている能力を最大限に発揮すること、また能力を最大限発揮するためにはどうすればよいかを考え改善すること、を求めています。

「圧倒的な効率化、仕組み化の徹底」

組織が大きくになるにつれて、本質的ではない業務が増え、効率は悪くなっていくものです。しかし、ROIの最大化を実現するためにも、エンジニアの3大美徳である「怠慢(Laziness)」「短気(Impatience)」「傲慢(Hubris)」の思想を存分に発揮し、圧倒的な効率化と仕組み化の徹底を、高いレベルで実行し続けたいと考えています。割れ窓を単につぶすのではなく、割れ窓が発生する根本原因を突きつめ改善する。業務のリズムを確立する。情報の集約化とオープン化を徹底する。組織全体の透明性を強め、統制がとれかつ自律的に成長できる仕組みを作る。これらは、チーム全員が視座を上げ本質的な課題に向き合い続けられるか否かが重要になると考えます。

「規律的であり、創造的である」

チームで発生する全ての情報を一箇所に集約するラインをつくり、トップが強くぶれない意思決定を行い、それをチーム一丸となって実行していく。しかし情報はオープンに共有され、トップの方針を理解した上で、得られるすべての情報を駆使して創造的に業務を実行していく。クリエイティブというと自由で民主主義的で議論をしながら物事をすすめるイメージを持つ人がいるかもしれませんが、少数チームで緻密に考えぬいたものこそ強いクリエイティブが宿ると考えます。トップダウンの強いラインを作り上げ、その中で各人が物事をどのレイヤーで思考しているのかを認知し、思考をスイッチしながらリーンに業務を遂行していくことを求めています。

「チームであるが、家族ではない」

メンバー同士が馴れ合うのではなく、同じ目標達成のために集まったプロフェッショナルとして、言いづらいことも言い合いながら、大きな成果をあげていく。だらだらと働くのではなく、圧倒的な効率化、仕組み化を徹底した上で、単位時間のチームが生み出す価値を最大化することを考える。結果として家族や地域との時間を確保し、健康であり家族の協力もある安定した生活基盤を前提に、全力で社会への価値を創造していく。しかし、チームメンバー間はドライな関係にはなりすぎずに、本質的な相互愛は持ち続ける。

「パブリックマインド」

成果の結果の向き先は、自己顕示でもチーム成長でもなく、医療の課題を解決すること。パブリックマインドを持って価値を出し続けることが、結果として自己の人生の充足につながる。そのような考えを根底に持つことを大事にしたいと考えます。

ウェットな感じであたりまえのことを書いていますが、エクセレントなチームになるために、日々このようなことを考えてプロダクト開発チームの運営をしています※2

※2: ちなみにこれらは明確に定義したワーディングというわけではなく、自分の中のぼんやりとした考えとしての表現です。

エクセレントな働き方

最近、リモートワークなど方法論としての新たな働き方、ホラクラシー型組織のような新たな組織構造のあり方など、今後の組織に関する話を耳にするようになっています。しかし、上のような考え方を推進していくことこそが、エクセレントな働き方につながるのではと私は考えています。

プロダクト開発のプロセスやそれを運用するためのツール群は、長い歴史を経て進化し洗練されてきています。一方でそれらを利用することだけに終始し、いわゆるベロシティを高めるための取り組みができていない。現実的には、開発組織のみが独立したプロセスで運営され、事業組織との足並みがあわずに、結果として差し込み開発が入るなどして開発効率が低下する、このようなことは多くの現場で発生しているのではないかと思っています。

これらは、プロダクト開発に携わるメンバーの意識が内に閉じていることによって引き起こされるものだと考えています。他業界からジョインしたひとにとっては、そもそもアジャイル的な考え方や、情報共有に関する考え方のベースがあるわけではありません。自身の実行プロセスに自信をもっているならば、周辺チームに対しても効率的な業務推進手法を提案し、全社レイヤーから一気通貫した効率的な実行プロセスをつくることが重要なのではないでしょうか。会議体を見直す、業務ツールを統一化する、ベースとなる知識の底上げの場をつくる、職種間の相互理解のための場を作る、やることはたくさんあると思います。

例えば定型業務を行うにあたっての全従業員の総クリック数を減らす、このようなことが当然のように考えられ自律的に改善される仕組みを作ることができれば、全社的な業務効率が向上し、結果としてワークライフバランスの実現につながると思います。また、それはシンプル志向で強いプロダクトの開発にもつながると思います。

このような考え方をベースに、全員が社会に対して効率的に価値を生み出し、プライベートも自分らしく過ごせるような状況がつくれた先に「エクセレントカンパニー」の姿がみえてくるのではないでしょうか。そのような未来のエクセレントカンパニーの姿を想像しつつ、日々の業務に効率的に取り組んでいければと考えています。

さいごに

ということで、メドレーではエクセレントなプロダクト開発チームを一緒に作っていきたい、デザイナー・エンジニア・医師・ディレクターを絶賛募集しています。興味あるかたはぜひご連絡ください。

本コンテンツは、筆者が株式会社メドレー在籍時に執筆したものです。知的財産権は平山宗介個人に帰属します。